【現役講師の本音】WEBデザインを学ぶには、独学、職業訓練校、WEBデザインスクール…いったいどれがいいの？

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WEBデザイナーになりたい、WEBデザインを勉強したい。そんなとき、まずはじめに考えるのが「どこでどうやって勉強するのがよいのか？」というところだと思います。いろいろなWEBデザインスクールがあって、どこを選べばよいか分からない。そもそもひとりで習得できることができるのか。インターネットであれこれ検索をしながら、頭を悩ませている人も多いはずです。

今回は、これまでWEBデザインスクールや職業訓練校、また個人で教えてきた経験や、多くの方にお聞きしてきた体験談をもとに、独学、職業訓練校、WEBデザインスクール、それぞれのメリットやデメリット、向き不向きなどをまとめていきたいと思います。

この記事は、個人的な経験や考えをもとに書いています。学習方法選びのひとつの意見として、気軽に読んでいただけると幸いです。

継続力があれば迷わず「独学」

まずはじめは「独学」です。独学のメリットは、学習時間を自由に設定できることと、費用をおさえて学習ができること。いつ、どれくらいのペースで学習していくかは、すべて自分しだいで、マイペースに続けることができます。費用面でも、書籍や教材の購入費などはありますが、基本的にはそれ以外の費用はかかりません。

コーディングのスキルは独学でも十分に習得可能

WEBデザインで主に使われるプログラミング言語は、「HTML」「CSS」「JavaScript」の3種類です。「JavaScript」はすこし難易度があがりますが、「HTML」と「CSS」に関しては、他のプログラミング言語と比較しても、かなり習得しやすく、シンプルで分かりやすいプログラミング言語です。プログラミングの考え方になじめる方であれば、比較的かんたんに使いこなせるようになります。

必要なのは継続力と自走力

一方で、独学でコーディングを学習して、挫折した方も多くいらっしゃいます。ひとりで学習を進めていくときにぶちあたる大きな壁は、継続していくことの困難さです。自分自身でスケジュールや目標を管理し、必要な情報を収集し学習をし続けていくことは、強い意志と継続力が必要です。また、問題にぶつかったときには、自分で調べて解決していかなければなりません。

独学で学習をはじめて挫折してしまったケースでは、序盤につまづいた方が多いように思います。これまで縁のなかったプログラミングにはじめて触れ、勝手や内容がまったく理解できないまま、参考書をそっと閉じてしまう…。教材通りに何度やってもうまくいかずあきらめてしまう…。そういった経験を持っている方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

さまざまなサービスを上手に使って学習を進めよう

ひとりで学習を継続していくことが難しい独学。しかし現在は、学習をサポートしてくれるさまざまなサービスが、いくつも存在します。YoutubeやWEBサイトでコーディングのスキルを公開している方もたくさんいらっしゃいますし、Udemyなど動画教材を配布しているサービスもあります。また、ストアカやMENTAなどのサービスでは、時間制でレッスンを行ったり相談を受けつけている方もいらっしゃいます。

自分が理解しやすい教材を探したり、困ったときに相談できる人を見つけたりと、自分自身で継続しやすい環境をつくりながら学習を進めることで、独学での学習しやすさは大きく変わってきます。粘り強くひとりで続けていくことに自信のある方は、ぜひ独学でWEBデザインに挑戦してみてください。

もし、途中で挫折してしまっても大丈夫です。その場合、WEBデザイナーに向いていないのではなく、基本的な部分を理解できていない、ということがほとんどです。他の学習方法を検討し、基礎からしっかりと理解しながら学んでいけば、WEBデザインのスキルを習得することは、十分に可能です！

圧倒的にお得な「職業訓練校」

次にあげるのは「職業訓練校」です。正確には「離職者訓練」や「求職者支援訓練」、国が運営しているものや、都道府県などの自治体で運営しているものなど、いくつか種類が分かれますが、一般的な名称である「職業訓練校」ということで話を進めていきます。

費用はかからないが授業の出席は必須

職業訓練校の最大のメリットは、なんといっても費用面です。国や自治体が運営、管理をしているので、基本的には授業料はかかりません。教科書などの購入費のみで、ほとんどの学校で数ヶ月以上（一般的には3～6ヶ月程度）の授業を受けることができます。また、条件によっては失業保険を受給しながら通学することもできます。

ただし、職業訓練校では授業に出席することが受講の条件になります。平日の日中（学校によっては夜間やeラーニングのケースもあり）に開講している授業に、出席し続ける必要があります。出席率が規定より下回ると、その時点で退校となってしまいます。

講師やクラスによって講義内容が変わるケースも

職業訓練校は、基本的には平日の日中に授業が行われます。講師目線でお話しすると、現役で活動をしているWEBデザイナーが、平日の日中フルで授業を持つのは、通常の仕事と講師業の両立で、なかなかしんどいものがあります。これまで見聞きしてきた学校を見ていると、第一線で活躍中のWEBデザイナーではなく、講師業にシフトして講義を持たれている方も多くいらっしゃいます。

インターネット業界は、時代に応じた変化がとても速い業界です。講師業にシフトされている方の場合、指導方法に長けている一方で、現在のリアルな現場の状況や、最新の技術に追いついていないケースもでてきます（もちろん、常にアップデートしているすばらしい講師の方もいらっしゃいます！）。

また、職業訓練校の場合は、学校側でカリキュラムを作成、教材（市販の教本など）を指定して、講義の内容や進め方は、講師に一任されることも多いです。担当する講師によって、授業の分かりやすさや内容、レベル感が変わってしまうこともあります。

さらに、職業訓練校には、年齢や職業、通学の目的など、さまざまな方が通われています。デザインやプログラミングの経験がある方、パソコンの操作が苦手な方、WEBデザイナーは目指していないけど興味があって受講している方。集団での授業になるので、人によっては「授業が早すぎてまったくついていけない」、反対に「もっと早く進めていろいろやってみたい」と、感じることもあると思います。

いっしょに学べる仲間がいるのは心強い

職業訓練校で教えていて常に感じることは「いっしょに学べる仲間がいるのは強い」ということです。たいていの場合、10～20人程度のクラスで授業が進められていきます。ひとりでは心が折れそうだけど、いっしょに勉強している仲間がいる。分からないことや就職について相談しあえる。授業の合間にあれこれ雑談ができる。

ひとりで学習し続けていると、どうしてもやる気が落ちこんで停滞する時期がでてきます。そんなときに、この「仲間がいる」ことが、継続への大きな力として、背中をぐっと押してくれるのです。

学校や講師によっては最適な選択に

現在、全国にはたくさんの職業訓練校があり、学校によって特徴やカリキュラムが変わってきます。ひとりの講師が6ヶ月間付きっきりで担当するところもありますし、カリキュラムの内容ごとに講師を変え、現役で専門的に活動している方が講義を担当するところもあります。

職業訓練校は、自分にあったよい学校、講師に巡りあうことができれば、最適な選択にもなりえます。講師を選択することは難しいですが、学校説明会などに参加して、学校や講師の雰囲気、自分が学びたい内容とマッチしているか、などをしっかりチェックしながら、検討してみてください。

モチベーションが高い「WEBデザインスクール」

最後は「WEBデザインスクール」です。WEBデザインスクールには、さまざまな形態があり、スクールによって特徴や受講方法、費用が大きく変わってきます。いずれの形態でも、独学や職業訓練校と比較して、費用面では多くかかりますが、費用がかかる分、受講生のモチベーションや目的意識はかなり高いです。

気軽にはじめられる「オンライン型」スクール

現在あるWEBデザインスクールの多くは、この形態をとっています。オンライン型の場合、ほとんどのスクールが動画教材を用いて授業が進められていきます。目的に応じたカリキュラムやコースを選択し、そのカリキュラムに沿ってひとりで学習を進めていきます。

スクールによっては、担当のメンターがついて、週に1度、面談や質問の時間が設けられていたり、オンラインのチャットなどでいつでも質問ができたり、というサービスがついています。ひとりで学習を進めつつ、つまづいたところは質問して解決する、という、独学だと挫折してしまいしそうな部分を、スクールがしっかりサポートしてくれます。

費用的には、比較的安く抑えることができますが、質問や面談の回数や時間、動画教材の閲覧制限などには注意が必要です。また、基本的にはひとりでの学習になるので、独学でも書いた継続力や自走力は必要になってきます。

困ったときは直接質問「オンライン＋通学型」スクール

オンライン型のなかで、実校舎を持っているところもあります。基本的にはオンライン型と同様の進め方ですが、一部オフラインの授業があったり、校舎に行って講師に直接質問をすることができます。大手が運営しているケースが多いですが、スクールによっては、実際の案件を想定した実践的な授業を行うところもあります。

費用的にはオフライン型よりも高額になりますが、その分、より実践に近い形での学習になります。また、校舎を持っているスクールの場合は、グループでの授業を行うこともあり、「一緒に学ぶ仲間」や「卒業後のネットワーク」がつくれることも、魅力のひとつです。

じっくり学べる「通学型」スクール

以前と比べて、だいぶ数が少なくなってきましたが、通学型のスクールもあります。通学型の場合は、職業訓練校と同様に、決まった時間に行われている授業に出席する必要があります。最近では、オンラインで授業を行うところもありますが、講義を聞きながら、クラスメイトと一緒に学習を進めていきます。

費用は高額になりますが、本気でWEBデザイナーを目指す方が集まっているため、コーディングやデザインについて、よりレベルの高い内容の講義を受けられる可能性があります。また、クラスメイトの存在やネットワークも、学習を進めていく助けになってくれるはずです。

講師は現役WEBデザイナーが担当、就職サポートもあり

WEBデザインスクールでは、講師は現役で活動されているWEBデザイナーが担当していることが多いです。実際に仕事をしているなかでの経験に基づいたテクニックを教えてもらったり、アドバイスをもらうこともできます。また、スクールのなかには、制作会社が母体となって教材を開発しているところもあります。さらに、就職・転職サポートをしているところもあり、卒業後の進路を相談することもできます。

スクールやコースによっては「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の対象になり、受講料の一部がキャッシュバックされることもあります。さまざまな特徴をもったWEBデザインスクールがたくさんありますので、自分に適した学び方、内容、費用面をよく考え、スクールを選択してください。まずは、実際の校舎を見たり、担当と直接話したり（できれば何校か）してから、決めることをおすすめします！

自分に適した学習方法を選択しよう

これまで、職業訓練校やWEBデザインスクールなど、さまざまな立場でWEBデザインを教えたり、講義を行ってきました。その経験をしたうえで、ひとついえることは「どこで学習をしても、やっていることに大きな違いはない」ということです。

もちろん、スクールによって教材の内容、難易度は変わりますし、実践型の授業を行っているところもあるので、その違いはあります。ただ、WEBデザインやコーディングの技術に関して、「職業訓練校だからレベルが低い」であったり「高額なWEBデザインスクールでは、とんでもないレベルの内容をやっている」ということはありません。

WEBデザインを学習するにあたって最も大切なのは、自分に適した学習方法を選択できるか、に尽きると思います。独学や職業訓練校でも、WEBデザイナーとして就職される方はたくさんいらっしゃいますし、高額な授業料を払ってWEBデザインスクールに通っても、途中で挫折される方もいらっしゃいます。

ひとりで学習するのがよいのか、誰かに教えてもらいながら理解していくのがよいのか、授業のスケジュールがしっかり決められていたほうが継続しやすいのか、など、ご自身の特性やライフスタイル、かけられる時間や費用などを踏まえて、どの学習方法が自分に適しているのかを、一度検討してみてください。

でも結局は、やる気と覚悟しだい！

とはいえ、結局最後に効いてくるのは、本人がどれだけやる気と覚悟があるのか、ということだと思います。おそらく職業訓練校よりもWEBデザインスクールのほうが、業界への就職率が高いと思いますが、これは単純に、WEBデザインスクールは高額の授業料を払って覚悟を持って通っている方が多いから、という理由だけな気がします。

どこで学習をしようとも、やる気と覚悟、あとはあきらめない粘りがあれば大丈夫です。自信を持ってWEBデザインの学習をはじめてください！

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